ラーマーヤナ「ラーマ王行状記」


「ラーマーヤナ」は、「ラーマ王行状記」という意味です。ヒンズー教の神話と古代英雄であるコーサラ国のラーマ王子に関する伝説をまとめたものです。

「ラーマ王行状記」で活躍する人物は、すべてクシャトリアという階級の人々です。クシャトリアというのは、古代インドのバラモン教における四姓制度の第2位に位置する王族・武家階級を意味します。

バラモン教の四姓制度では、第1位は「バラモン」聖職者・僧侶階級、第3位は「ヴァイシャ」庶民、第4位は「シュードラ」隷民です。

ラーマーヤナでクシャトリアが活躍するというのは、当時のクシャトリア階級の勢力を増していたことを反映しています。詩人ヴァールミーキーの作とされていますが、実際には紀元前3世紀ごろに多くの民間伝承を彼が編纂したものともいわれています。

ラーマーヤナは、数多くの絵画、彫刻、建築、演劇、音楽などの題材とされています。そしてインドはもとより東南アジア一円に広く浸透しています。

バリ舞踊の「ケチャ」は、本来が悪霊を追い払う呪術的性格の強い合唱の意味がありました。しかし「ラーマーヤナ」の中から題材をとった、猿たちが王子を助けるという物語と舞踊とが結びついて現在のような形になったとされています。

この「ラーマーヤナ」は、バリやジャワ島の伝統的な影絵芝居ワヤン・クリットでも主題として取り上げられています。

日本においては、宮崎駿監督の「天空の城ラピュタ」の主題となっている「空中に浮かぶ島」のモチーフは、宮崎監督がインドとの合作で、企画段階で参加していた「ラーマーヤナ」のイメージを反映しているといいます。
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